« 傷心山歩@陣馬山 | メイン | ゆく年くる年@鳳凰山 中編 »

ゆく年くる年@鳳凰山 前編

泊りがけでどこかの山に行きたくとも行けない毎日。悶々とした日々を過ごすオイラ。そんなオイラにようやく巡ってきた大晦日と元旦の2連休!この貴重なお休みに寝正月なんて贅沢な時間の過ごし方をするわけにはいきません。さっそくトータスに連絡します。

「どこの山に行くの?」

冬の北岳に行ってみたいんだけどねぇ
1泊じゃ、何をどう頑張っても不可能だから鳳凰にしようかと

「天気悪いんじゃないの?日本海側は大雪って…」

南アルプスは太平洋側だろー

そこは太平洋側って言うのか?!

やばかったら、とっとと撤退するし

「行程は?」

甲府からタクシーで夜叉神だね
南御室小屋でテントかな

「小屋が営業してるなら、一回泊まってみたいな。」

オイラも営業小屋は泊まったことないや。一回経験してみようか?
小屋泊まりするなら、薬師岳小屋まで行っちゃう方がいいね
年末年始でたくさん人いるだろうし、泊まれるか分からないけど

「じゃあ、電話してみるよ。」

(トータスから連絡が入ります)

「薬師岳小屋オッケーだってさ。っていうか、むしろ来て来てー!って感じの話し振りだったよ。なんか、オレたち以外に2人くらいしか予約ないみたいだよ?南御室も団体の予約はあるけど、空いてるってさ。どっちでも平気だってさ。」

んじゃ、初小屋泊まり決定で!
一応、トランシーバーも持ってきてね♪

仕事を終え、そのままトータスと待ち合わせ。ムーンライト信州に乗って甲府へと向かいます。夏に甲斐駒・仙丈ケ岳に行ったときは、真夜中でも駅前のロータリーは登山者で溢れ返っていました。
今回もたくさんの人が…

1人っ子一人いません

タクシーに乗り、夜叉神峠登山口へと向かいます。タクシーの運転手さんが「昨日は甲府でも初冠雪だったので、山はもっと雪でしょうねぇ」と。

ゲートが閉まっていて、これ以上は進めないということで、タクシーを降ります。ゲートが閉まっている云々の前に、車道のど真ん中にテントを張って寝ている人がいたので、ゲートが開いたとしても進めません。ゲートから登山口まで約5kmの車道を歩くことにします。

薄雪の積もる車道をテクテク歩き、夜叉神峠登山口に到着。駐車場には20台ほど車が停まっています。ゲートが閉まる前に入っていたのでしょうか。人がいないわけではないようです。

2サラサラの雪が積もってます

日が出てきたら登り始めることにして、支度をします。
さて、ここでひとつ問題です。

Q. 今回の忘れ物は何でしょう?

A. ストックトランシーバー

以上、2点なり。
トータスがツッコミを入れてきます。

「普通、ストックは忘れねーだろ!」

いや~ ピッケル持ったら、ウキウキしてストックのこと忘れちゃって…

「トランシーバーは、tabibitoが持って来いって!」

いや~ 便利だけど、なくても問題は…

オレ一人だけ持ってても、全くムダな荷物じゃん!

そうこうしているうちに夜が明けてきました。

3さて行きますかー

風は冷たく、雪もちらついていますが青空ものぞいています。
よしよし!オイラ、やっぱり晴れオトコ~♪ と、ルンルンで登っていきます。

夜叉神峠に着く頃、雲行きが怪しくなってきます。かなりの強風とガス。メッチャ寒くなってきます。

4ガスってきましたね…

夜叉神峠小屋から何人か出てきます。小屋のご主人が他の登山者と話しているのが聞こえます。

「この強風じゃ、稜線に出たら吹き飛ばされるぞ~!」

フフフ そうか…

ついにオイラも空を飛べる日が来たのか!

この大空に 翼を広げ
飛んで行きたいよ
悲しみのない 自由な空へ
翼はためかせ 逝きたい

って、そんなわけありません。“ヤバいと感じたら、即撤退”はどんな時も守ってきたルールです。無理はしないと決めて、続々と出発する皆さんに続いて、オイラたちも出発します。

樹林帯の中を歩きます。この辺りは木々に守られ、風もあまり感じません。また少し陽が出てきたらしく、木漏れ日を浴びながら、ゆるゆると登っていきます。

5この穏やかさに騙されますw

時間に余裕もあるので、ノンビリ歩きます。お泊まり山歩でテントを担がないのは、初めての出来事。足どりも軽~い♪

杖立峠を過ぎ、あれこれしゃべりながら歩いていると、トータスの気配がないことに気付きます。振り返るとトータスの姿がありません。
また独り言にw

しばらく待つとトータスがつらそうな顔をして、近づいてきました。

「ねぇねぇ ばんそうこう持ってる?」

持ってるよー って、まさか…怪我した?!

「たぶん靴擦れだと思うんだけど、踵が痛い。」

靴を脱ぐトータス。踵を見てみると、靴下に穴!
勘弁してよ トータスw

踵の皮がめくれています。換えの靴下を持っているとはいえ、この先歩けるのか心配です。無理なら引き返すけど?と聞くと、「大丈夫!歩ける!」と力強い返事が返ってきます。ばんそうこうで保護したので痛みはないとのことなので、このまま先へと進むことにします。痛むようなら下山するので、無理に我慢しないことを約束させて出発です。

トータスの様子を見ながら、ゆっくり歩きます。樹林帯の中でも風を強く感じ始めます。

6自然が創りだす模様にいつも見とれます

樹林帯を抜けると、強風が吹き荒れています。トレースはしっかりついているので、ラッセルの必要は全くありませんが立ち止まると、とにかく寒い!

7トータス 大丈夫か~

鼻の穴の中がパキパキと凍っているのを感じます。鼻水もあまり出てきません。このままでは1年前の金峰山で会った「鼻水ツララおじさん」と同じようになってしまいます。

フードを被り、フェイスマスクで顔をガード。マスクを着けた途端、鼻の中が溶けたのか鼻水ドバドバ。これはこれで困るw

8_2さあ、もう一息!

苺平を過ぎ、南御室小屋までもう少し。トータスが声をかけてきます。

「今日は南御室まででいいかな?きつい…」

靴擦れは問題ないとのことでしたが、無理をさせるわけにはいきません。薬師岳小屋まで行きたい気持ちはありましたが、南御室小屋に泊めさせてもらうことにします。

9着いた~

雪かきをしていたご主人に声をかけられます。電話で聞いたとおり、空きがあるとのことなので泊まらせてもらうことにします。食料・寝具は持っていることを伝えると、個室を割り当てられました。

装備を解いて中へ入るとストーブが!

10生き返るぅぅ

いや もうホント

ストーブから離れられない!

食事の準備なんてどうでもいい。
なんなら

真っ赤に燃える薪を食べたい!

マッタリとストーブの前で温まるオイラとトータス。後からやってきた若い二人組の方が薬師岳小屋まで行って、引き返してきたと聞き、上の状況を尋ねてみます。薬師岳小屋のご主人からいろいろとお話を伺ってきたようです。

仕入れた情報の要点をまとめると

① この吹雪では観音岳まで行けないだろう

② 薬師岳小屋に泊まるなら2~3日滞在する覚悟が必要
  ※この吹雪では戻れなくなるので…とのこと

③ 薬師岳小屋のご主人が「オレも下山したい」と言っていた

なるほど なるほど~
小屋のご主人ですら、帰りたがるような状況というわけですね?

オイラ行きませんよ!そんなところには!!

ストーブの前で子猫のようにマタ~リと過ごすんですよ!
うん!この吹雪の中、ここまで来たんだから、もういいしょ!

今から年越しそば食べて~
担いできたビールと焼酎飲んで~
さあさあ、暖かいカッコして寝ようかな~♪

後からやってきた20数名の団体さんや他のパーティーの方たちとストーブを取り囲んで談笑タイム。楽しく過ごすうちに、初めての小屋泊まりの夜も更けていきます。

外は、一向に止みそうにない雪と風。明日は山頂に至ることなく下山することになるのでしょう。

山の準備をして、仕事して、夜行列車に飛び乗って、そのまま登り始めて…すでに37時間起き続けています。初日の出諦めムードの中、起きてるのも、もう限界と寝袋に潜り込むオイラ。

寝袋の中で考えます。

登頂は無理かぁ
でもなぁ
オイラ、晴れオトコだぜ?

目を閉じると、青空と太陽が浮かんできます。
青空の下、元気一杯の自分の姿も浮かんできます。

朝になったら、太陽が微笑んでくれるんじゃないだろうか?

サンサンと照らす太陽のことを考えているうちに、深い深い眠りの中に落ちていきました。

中編に続く

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://www.typepad.jp/t/trackback/235279/10953036

このページへのトラックバック一覧 ゆく年くる年@鳳凰山 前編:

コメント

あ~…
今日もたくさん笑わせてもらいました

真っ赤に燃える薪って確かにおいしそうですよね~
食感もカリカリしてそうだし…

後編の天気が気になりまくりです。
tabibitoさんのイメージが具現化するか否や。

こんにちわ。

うけます。 
晴れ男?の後編みたいです。

真っ赤に燃える薪って・・・早く続きが読みたいです ヽ(#`Д´)ノ

> プカプカさん

そうなんですよ。赤く燃える薪を見ていたら、
カリカリ食感な感じで、おいしそーでw

一昨年の大晦日に金峰山登ったんですけど、富士見平で
テント泊したんですね。夜明け前に登り始めたんですけど、
すれ違って挨拶した人の鼻水がキレイな氷柱になってまして…

鳳凰の吹雪もそのくらい寒い感じでしたw

> atsu510さん

はじめまして!コメントありがとうございます。

後編を書いていたら、思っていたより長くなってしまったので
中編・後編に分けてしまいましたw

これからも宜しくお願いします!

> 神の味噌汁さん

はじめまして!コメントありがとうございます。

神の味噌汁…なんて素晴らしいHNでしょう!
山で美味しい味噌汁飲みたいです!
今度レシピを教えてくださいw

遅筆なのは、仕事のせいにしちゃいますw
続きは、今日・明日中には何とか・・・

マジウケる!
決して急かしませんが後半早く欲しい!

> セニョールさん

返事が遅くなってすみません。
後半レポを放置して、山に行ってしまいましたw

先ほどアップしました。これからも宜しくお願いします♪

コメントを投稿

Banner_03_2

E_03