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2007年3月に作成された記事

赤岳 雪上散歩 No.3

(赤岳山行の続き)
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いびきをかいて爆睡するトータスの隣で、足の痛みと風の音に
悩まされ、なかなか寝つけぬ夜を過ごす。

明け方になり、風も少し弱まってきたところで、テントの外を
のぞいてみる。

9_2 のわぁぁあ!

春の気配を感じさせた昨日と違い、一面の銀世界。
厳冬真っ只中といった感じである。

足は更に痛くなっており、腫れぼったい…というか、

腫れあがってます。

軽く凹むが、落ち込んだところで状況が変わるわけではない。
気を取り直し、朝食の準備に取り掛かる。

おにぎりとスープパスタ、コーヒーを飲み、腹ごしらえ。
下山の準備に取り掛かる。雪を溶かしお湯を作り、
テルモスに温かいコーヒーを注ぎ込む。

外は吹雪だ。足のこともあり、万が一のことを考え、備品・
予備食料のチェックをする。

おにぎり×2個、魚肉ソーセージ×2本、乾燥米 200g、
カレー×2食、コーンスープ×4P、その他非常食×3食、
飴・ブドウ糖・チョコ…etc.

マッチ×2箱、メタ(着火剤)×1箱、予備燃料×1缶、
予備防寒具、救急キット、ローソク、予備電池、ツェルト、
補助ロープ×20m、ホッカイロ…etc.

滑落・落石などで即死しない限り、仮に遭難しても
1週間くらいは生き延びられるかな…。荷物をまとめていく。

救急キットから包帯を取り出し、足首をガッチリと固定。
できる限り、足首に負担がかからないようにする。

湿布を忘れるという、初歩的なミス

を犯しているが、ないものは仕方ない。足首を固定しておくだけでも
いくらかマシだろう。

テントを片し、撤収作業を終え、下山開始することにした。


痛ぇ! いてぇ!! イテェ!!! 痛ィィィィイ!!!!

足を踏み出すたびに顔が引きつる。先行していた
トータスが振り返る。

「大丈夫?」

 ん? 大丈夫だよ。平気平気♪

ダメと言ったところで、どうにもならないので歩き続ける。
片足が動かない程度で、根を上げたら漢じゃない。

以前読んだ「神々の山嶺」の主人公であるクライマー
羽生丈二が人類未踏の壁に挑んだ最後の言葉を思い出す。
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さあ…立て たちあがれ

体力が ひとしずくだって のこってるうちは

ねむるなんて ゆるさないぞ ゆるさない

~ 中略 ~

ほんとうのほんとうに どうしようもなくなったら

もうほんとうに

こんかぎり あるこうとしても だめだったら

思え

ありったけのこころでおもえ

想え―――
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ホントに、こんな極限状態だったら死んでますけどね(笑)
まあ、つらかったってことですよ… (T_T)


ひたすら下っていくと、風も弱まり雪もやんできた。
雲の切れ間から青空がのぞき始めている。

後ろから声をかけられ、振り向くと、昨日山頂付近で会った
3人組のパーティーがいた。

「見たことあるなと思ったら、君たちか」

どこから見ても「山男」という以外、例えようのない人だ。
足を引きずって歩くオイラの心配をしてくれ、湿布を頂く。
ありがたい。

手伝おうか?と言われるが、迷惑をかけるわけにはいかない。
礼を言い、先に行ってもらう。どうにか美濃戸山荘まで
辿り着くと、3人組が山荘前で休憩をしていた。

「車で駅まで送ってあげるよ」

ご好意に甘え、車に乗せてもらう。連絡先を交換。
今回の八ヶ岳は個人的山行で、普段は某山岳会で
富士山の登山指導員などをしているとのこと。
いい出会いを持てた。

下山後は、茅野温泉で汗を流し、蕎麦屋で乾杯。

調子に乗って、つまらない怪我をしてしまったが、
出会いもあり、楽しい時間を過ごすことができた。
またいつか、冬の赤岳を散歩したい…そう思える山行だった。

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E_03山歩き=散歩

赤岳 雪上散歩 No.2

(赤岳山行の続き)
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サブザックに必要なものを入れ、地蔵尾根に取り付く。
たしかに急斜面ではあるが、それほどでもない。
雪も締まっていて、アイゼンがよく効くので歩きやすい。

3
上へ参りまぁす♪

40度以上ありそうな斜面をアイゼンとピッケルを効かせて
直登する。メッチャ楽しい!!

この時点でトータスはバテ気味になっており、オイラの後には
続かず、トラバースしながら巻き道でオイラの待つ地点に
登ってくる。

アンパン食べて体力回復していたオイラは、絶好調☆
ガンガン登ります。写真を撮りながら、ひたすら登ります。

地蔵尾根最後の難関もあっさりスルー。
この場所でうっかり足を滑らせると…

1 あの世への引越し完了?

行者小屋から1時間ほどで地蔵ノ頭の稜線に到着。

トータスが「ここで休憩させてくれ」とリクエスト。
山頂までは、まだ少しあるが下山時の体力がなくなって
しまっては困るので、大休止することにする。

通常だと、この稜線上は強風が吹き荒れるので、
ゆっくりしていられるような場所ではないのだが、
風も緩やかで本当に気持ちがいい。

ザックをおろし、コロッケパンをモグモグ。
遥か遠くまで見渡すことができ、自然と顔がほころぶ。

7 サイコー!! (≧▽≦)


山頂に向かい、ズンズン歩いていくと赤岳展望荘の人が雪降ろしをしている。翌日は悪天候が見込まれるので準備をしているのだろう。

6 風が雪の斜面を巻いて、幻想的な情景を織りなしている。

頂上への最後の斜面を登っていき、反対側から下りてきた3人組のパーティーと挨拶を交わす。今夜は展望荘泊まりとのこと。
頂上はもう目の前だ。

8

5 山頂の景観を楽しんでいると、急にガスが出てきた。
ホワイトアウトされたら、さすがに笑えない。

下へ参りまぁす♪

ガンガン下ります。ひたすらテントを目指し下り続ける。
2週間ほど前に登山者が滑落して 500m落下した事故が
あったのは、この辺か。

振り返ったら、トータスがいなかった…

な~んてことがあったらどうしようかと思い、チラッと
振り返る。ヘッピリ腰気味だが、トータスはちゃんとついて
きている。よかったよかった!

まあ、いなくなってたら

2人で登ってたのは 気のせいかな?

ってことにしますけどねw


タリラリラ~ン♪ 鼻唄交じりにスキップしながら
下りていくと、登ってきた3人組のパーティーがいた。
3人とも、なぜか口が半開き状態。

こんにちは!

挨拶をするが、応答なし。聞こえなかったのかな?
もう一度言ってみよう。

こんにちはー!!

ようやく応答があった。3人ともロープでお互いを
確保しながら、恐る恐る登っている感じ。
そんなに腰が引けてたら、どれだけ安全確保しようと
よけいに危ないと思うのですが、どうなんでしょう…

サクッと危険地帯を抜け、テントはもう目と鼻の先。
天候に恵まれたこともあり、思っていたより楽に
登頂でき、とても満足♪

あとは、夕飯を作って明日の硫黄岳に備えるだけ…
トータスが後ろから声をかけてきた。

「シリセード、すごいし易そうじゃない?」

雪も締まっていて、トレースがちょうど滑り台のように
なっている。やろうやろう!

ピュ~♪

停まろうとしたところに穴凹。
避けようとした瞬間、アイゼンの爪が穴に引っかかる。

くき°

見たこともない角度に左足首がひん曲がる。

(゚-゚ ) ……。

うん! 見なかったことにしよう!

立ち上がってみる。

痛くない…

そうか! オイラの関節は柔らかいんだな!

歩いてみる。

○▲※□~~!!!! (゚Д゚) ギャボー

トータスが口をあんぐりさせる。

「なんで こんなところで怪我するん?」

ちょ 調子に乗りすぎたかな…


足を引きずり、テントの中へ。夕飯の支度にかかる。

雪を溶かし、水を作る。コーヒーで一息入れたあと、
野菜たっぷりコロッケカレー&ひじきの煮付にコーンスープ。
ビールで乾杯☆

夜が更けるにつれ、どんどん天候が崩れてくる。
風と雪の吹き付ける音がテント内に響きわたる。

この吹雪じゃ、怪我がなくても硫黄岳は無理かな…
朝までに痛みが引けばいいけど…

寝袋にもぐり眠りにつく。

足の痛みは刻一刻と増していた。

悪夢の始まりである。

(続く)

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E_03山歩き=散歩

赤岳 雪上散歩 No.1

夜行列車に乗り、茅野駅到着が朝の3時半過ぎ。
トータスと2人で登山口行きのバスの始発を待つ。

ネットで調べたバスの時刻は 6:10。
6時になり、バス停に行くかと駅を出る。
階段近くの喫煙所で一服していると停留所前にバスが1台。

あれかなー?などと見ていたら、いきなりバスが発車

そんなバカなー

バス停に行ってみると 6:05発となっているではないか!
仕方なく、タクシーで登山口まで行く羽目に。

駅の待合所にいた2時間ちょっとの時間を返して!

という感じで、幸先のよくない山行がスタートしましたw

登山口がある美濃戸口。登山届は駅で提出していたので、
サッサと登山開始。道は凍結しているものの、雪はほとんど
なし。春の気配ガンガン☆ ダブルストックで快調に歩く。

予定より早く美濃戸山荘に到着。ここから先は本格的に
登山道になるので、アイゼンを装着。テント設営予定の
行者小屋まで一気に登ります…が

全然、力が入らない

何かがおかしい。完全にガス欠気味。いつものオイラじゃ
ない。地形図で確認すると目的地点まで、あと少しのはず
なんだが、とにかく力が出ない。

そういえば…


一昨日の昼にマクドナルドで食べてから
ビールとコーヒー以外、何も
口にしていない

という、衝撃の事実を思い出す。

そりゃね、丸二日近く食べてなかったら、
力なんて出るわけありまへんがな!w

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余談ですが…

オイラ、マクドナルドは好きなんだけど、食べた後に
やたらお腹が張ってしまうので、お腹が空かなくなって
しまう。丸一日以上、何も食べなくても平気な感じ。

ダイエットしたかったら、マクドナルドへGO
山に行くなら、マクドナルドに行ってはいけない

いい教訓を得ましたw
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トータスに、ちょい待って!とタイムをかけ、リュックから
アンパンを取り出す。

山で食べるアンパンは最高なのだ。普段、甘いものは
あまり食べないのだが、山のアンパンは別物。
いつもは山頂でのお楽しみに取っておくのだが、
そんなことは言っていられない。今が食べ時なのだ!

メチャクチャ うめー!!!

完全復活☆ 力がみなぎってくる。

よし!行くぞ!と元気に歩き出す。20mも歩かないうちに、
行者小屋に到着。目の前だったのか。

もうちょっと頑張れよ、オイラ!w


行者小屋に着き、さっそくテント設営。あまり風もなく
登るには最適な条件。いい日に来たなとニンマリ。

0 先客のテントが数張。

皆、支度をして出発していく。
全員、ヘルメットを被っている。

ヘルメットなんて持ってきてないのですが…

目指す赤岳へのルートは2通り。地蔵尾根と文三郎道。
皆、文三郎道へと向かっている。

下から見上げるとものすごい急斜面に雪面が光っていて、
とんでもないアイスバーンに見える。風が強いと確かにヤバイか。
雪塊が落ちてきて、頭に当たったらイチコロかも。

とりあえず、行ってみてダメそうだったら潔く諦めようと話し、
他の人たちとは別ルートの地蔵尾根に向かって出発することに
した。

(続く)

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